2007/02/10

いまを生きる <1989/アメリカ>

いまを生きる <1989/アメリカ>

★★★★★★☆☆☆☆ (6points)

伝統やら規律やらの壁がちゃんと存在することは、それを乗り越えていく人間にとってある意味、幸せなことなのかもしれない。

「ふ~ん、よくできた映画ね」。その一言に尽きちゃう。

でも、わたしも三十路前の社会人なので、世に言われてるほどこの映画が自分に響かないその理由を考えてみたりした。

で、結果、そうじゃないかな、と思ったこと。

結局、自分の実体験として、こういう「ちゃんとした」学校で青春時代を過ごしたことがないから、この生徒たちがぶつかってる壁の重みやらが分からんのよ、正直。わたしが通った学校なんて、いわゆる私立の進学校なんだけど、ほんと自由で、制服もないし、髪染めてもOK。ピアスあけても「痛くねぇのそれ」ってな感じ。だから、伝統と規律を前にうだうだ逡巡する生徒たちの葛藤なんて、理解し切れちゃいないわけです、実際のところ。そりゃね、分かる気はするよ、頭では。正直、ちょっと泣いたりもした…。でも、やっぱり震えないんだよね。なんか他人事なので。

盗んだバイクで走り出しもせず、校舎の窓も割らずに、尾崎豊に震えた(つもりになってた)日々も、振り返ってみれば、たしかにあった…。でも、それってあくまで、「そんな自分が好きだったんだね、そのころは」、って一言に集約されちゃうくらいの出来事で…。

もはや、自分の体験に立脚しない底の抜けた物語に震えられるほど、ロマンチックにゃなれんのです、わたし。