バーバー吉野 <2003/日本>
バーバー吉野 <2003/日本>
★★★★★★☆☆☆☆ (6points)
いい意味でも悪い意味でも、安心して観れる”こじんまり”とした映画。
荻上直子の長編デビュー作。デビュー作だってのにほんと安心して観れる。詰め込み過ぎてひっちゃかめっちゃかになったり、逆に狙いすぎてすっかすかになったりする…気配が、全然ない。うまくまとまってます(ちなみにこれは「かもめ食堂」でもおんなじこと感じた)。
なんて言うか、プラスの方向にも、マイナスの方向にも、観てるこっちの期待を裏切らない、そんな感じ。寅さんやら、水戸黄門やらに、今の時代のシニカルな笑いをほんのちょっぴりまぶした、そんな感じ。
正直、わたしは楽しめました。
…でも、ちょい立ち止まって考えてみるとさ。それって、いいのかな…?
たしかに観てて心地いいんだけど、なんか「それだけ」感も、いなめない。しかも、デビュー作、でしょ。こっから、この監督さんは何を撮りたいんだろ?相当うがった見方かもしれないけど、この監督さん、ただうまくまとまった映画を撮ることだけしか考えてないんじゃないだろか?特にこの映画の後の「かもめ食堂」が「あぁ、やっぱり」って感じの”こじんまり”系だったので、わたしの勘繰りはますます強くなっちゃいます。
小さくまとまった映画なら、大きく破綻した映画の方が「まだまし」だって感じてしまうのは…、今の時代状況からすると、それって、ある種、ロマンチック過ぎるのでしょうか?
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