2007/05/11

劇場版アニメーション 時をかける少女 <2006/日本>

劇場版アニメーション 時をかける少女 <2006/日本>

★★★★★★★☆☆☆ (7points)

うん、悪くない悪くない。ジブリが最近こけまくってるので、久しぶりにこの手のアニメで良質なものを観た感じがする。

評判通りですね。いいです、これ。

あんまりアニメ観ないから、何がいいのか、うまく言えないんだけど、たぶん、この映画、「引き算」ベースで作ってるんだと思う。で、それがとてもうまく機能したんだと思う。

つまりね、たぶんこの映画の主題は「時間ってものの人知を超える謎を身をもって体験してしまった人間の”前向きな”諦観」でしょ。理解できない不条理を、生まれて初めて体験した子が、どうやってそれを受容し、乗り越えていくか、ってことでしょ。で、とにかくそこを焦点化するために、それ以外の部分については、黒子に徹する。ありきたりな絵、ありきたりな声、ありきたりなセリフ。それら陰の部分によって、アニメにしてはありきたりじゃない奥行きのある物語を浮き立たせる。作戦がばっちり決まっていますね。

こういう筋肉質な映画を観ると、なんかすがすがしい気持ちになります。この監督(細田守)については、次回作も期待できそうです。